職員室から数えて3つ(たぶん)隣の部屋。


そこは普段から殆ど使われることの無い礼法室兼茶室。
本来なら茶道部が使っているはずなのだが
茶道部が新しい茶室をゲットした為この部屋はさらにほったらかしになっている。

そんな茶室(?)の前を将角が通りすぎたときだった。
使われていないはずの茶室から声が聞こえて来たのだ。
不振に思って、近寄って耳を澄ましてみると確かに中から声がする。

「いちまぁ…い。にぃまぁぃっ。」

まるで泣いているかのような女の声。
それは、将角にかの有名な怪談の話を連想させた。
まさか、うちの学校の茶室にお岩さんっ!?そんな事を思っていると突然数える声が途切れ、

「やっぱり、一枚足りないでは無いか」

溜息をついてそういうのが聞こえた。
やっぱり、お岩さんじゃねぇかぁ!
何でこんなトコにっ!?
そう将角が慌てている間にお岩さんはまた数え出した。

耳を一度離して、扉を透かして中を見ようと凝視する。

この部屋の中にホントにお岩さんがいるのか?
井戸の中にいるはずなのに?
色々考えているうちに将角は恐いモノ見たさで中を覗いてみたくなった。

ごくっと生唾を飲んだ後

ドアに手をかけ、

一度深呼吸をして自分を落ち着かせて

一気に開ける!!

そして緊張の一瞬!

恐る恐る中を覗き込むと

そこに居たのは長い黒髪の女。
その姿は某映画に出て来る貞子の姿を連想させた。

「ぎゃぁぁっ!貞子ぉおっ!」

「進動将角、誰が貞子だって?私だ。」

そう言って女が髪をかきあげると将角のよく見知った顔が現れた。

「…信楽。」

「私のどこが貞子に見える?」

「その姿が。」

「失礼なっ!!それより、進動将角は何故此処に居るのだ?」

「この部屋からなんか数える声が聞こえてさ、お岩さんかと思って」

「その声は私だ。」

そう言った彼女の声はかなり冷ややかだった。

「すまん!!というかお前、此処で何してたんだよ?」

「先生に頼まれて、備品を確認していた。だが、ここは埃っぽくてたまらん!」

「確かに…。」

数ヵ月間掃除の手も入らなかった礼法室は確かに埃だらけである。

「窓くらい開けろよ。」

「それも、そうだ。」

ポンッと手を打って、彼女は窓を開けた。
部屋一気明るくなり、爽やかな風が吹き込んで来た。
そのせいで、更に埃が舞い上がった。

「うわっ!!」

「…っくしゅっ!!…お前のせいで更に埃っぽくなったではないか!!」

「わりぃっ!!って俺のせいかよ!」

「ああ。だからな、進動将角お前…」

そう言って彼女は、にこりと笑って将角に向かって備品チェックの紙を差し出した。

「手伝え!」

「はっ!?どうしてそうなるんだよ!」

「此処に来たのも何かの縁だ、それに更に埃っぽくしてくれたしな。」

「いや、わけわかんねぇし。」

「とにかく。手伝え。」

「オレに拒否権は?」

「無いに決まっているだろう。」

「…やっぱり。」

こうして、将角は備品のチェックを手伝うことになった。

その後礼法室には何かを数えるお化けニ体も出ると噂になったらしい。




甘甘にはなりませんでした〜!
この頃忙しくて疲れ果ててます!信楽ちゃん最高!!
はぃ、バトンタッチ!
面白い、裏技だねっ!!
今回は活用できなかった…。


アクセス解析 SEO/SEO対策