どうしても飲み込めないんだ
口の中で溶けてく一方なんだ

白い錠剤
でか過ぎるカプセル

医者達はそれを試すように突きつけるけど
飲めたらこんな苦労はしない

「将飛〜」

柔剣道場にいつもの声が響く
もう此処ではお馴染みの人間になっているが、部員ではない
人(将角)呼んで、なんちゃって軽音部の幽霊部員だ

「軽音部の幽霊先輩だ〜!!」

「ふふふ〜ストリートファイト部の濃いキャラにその呼び方されたくないな〜♪」

「じゃぁなんて呼べば良いんですか?」

「苗字か名前v」

「またまたぁ〜設定上の都合で呼べないの知ってる癖に〜v」

「うん知ってて言ったんだけどね〜v」

「…そこ。ハートマーク飛ばしつつ裏設定と黒いオーラ飛ばすな」

妙に緊迫感の有る空気を押しのけ、面タオルを取りながら仲裁したのは進動将飛の双子の弟、将角である
此処剣道部の副主将を務める彼は、腹黒な弟を持つ為かよく仲裁役を買って出ていた
因みに将飛の方は最近彼女達に関しては徹底的に傍観している為、将角に仕事が回って来ているのだが
そんな彼のおかげで、柔剣道場の端で危険回避していた部員達も戻って練習をし始めた
どうやら彼女達の口論(黒合戦)はこの場にかなりの影響力を持つ様である

「はいはい。そんで?将飛は?」

「将人はちょっと委員会かなんかで出てる」

「そっか。文化祭の話があって来たんだけど…来るまで休ませて貰っていい?」

「良いけど…良いのか?軽音部幽霊部長?」

「今日鍵は大和撫子ベースちゃんにまかせてるもん」

「成程…隅っこで座っとけ。出口辺り涼しいだろうし」

「了解〜」

そういって彼女は言われた通り出入り口の近くに座った
部員達のかかり稽古を見ている辺り、やっぱり彼女はこの部にも愛着が有るのではないかと将角は思っている


「かかり稽古やめっ!!10分休憩!!」

「はいっ」

「…ちゃんと稽古はやってたみたいだな」

将角が振り向くと、いつから居たのか制服姿の将飛が学生鞄を肩にかけて立っていた

「よう、将飛。委員会のほうはもう良いのか?」

「ああ。なんとか話がまとまったよ。ところで…」

将飛は出入り口近くに座り込んでいる…否、眠り込んでいるものを見た

「あれは何だ?」

「何か文化祭の事でお前に話があるとか言ってたぞ」

「あー………」

言葉を濁す辺り、何か思い当たるものは有るらしい
将飛は彼女の所まで行くとしゃがんで肩を叩く

起きない

揺する

びくともしない

髪の毛をグシャグシャにしてみる

息をしてるかも怪しい

「………反応が無い。只の屍の様だ」

「冗談言ってる場合かっ!!とりあえず保健室に運んでくる!」

将飛は彼女を抱え上げ校舎へと駈けて行った

「「オゥ、プリンセスホゥルド…」」

部員が呆然と、そして口を揃えて呟いたこの言葉を、彼は聞いていない


「……………ぅわやべー…将角が脛に鉄球大暴走で手痛い一撃を……はっ!?」

「一体何の夢を見てるんだお前は…」

「あれ?将飛じゃん。此処何処?」

「保健室だ」

将飛の言うとおり、保健室のソファに彼女は寝ていた
保健室のベッドは男女別れて(どちらかと言うと半男子禁制)おり、保険医が居ない事もあってベッドに運べなかったのだ

「…私柔剣道場に居たよねぇ?」

「俺が来た時には既に意識手放してたけどな」

「あ〜…やっぱりここんとこ食生活乱れてたからなぁ…」

「何食べてたんだ?」

「ポテチとコーラ。結構胃に溜まるんだよね〜この組み合わせ。他にもチョコビスとかね〜」

「………まともに食べろ。それじゃ誰だって倒れる」

「もう三日は大丈夫だと思ったんだけど」

「…お前…生活力皆無だな…」

「五月蝿いなぁ…これでも自活3年目よ?」

「余計心配だ莫迦」

「そう言うと思ってたさ」

そう言いながらポケットからピルケースを出す
その中には何種類かの錠剤が入っていた

「…何だそれ?」

「サ〜プリメンツっ!所謂最後の切り札ってやつ?」

「そういう使い方やめろ。そして使うなら早めに使え」

「ったってこういう錠剤好きじゃないんだもん。大きくて飲み込めないってか…」

そう言いつつも彼女は錠剤を口に含んだ。
燕下してないところを見ると、口の中で最後まで溶かすらしい
それを暫く見ていた将飛は、何か思いついたように顔を上げた

「……決めた」

「は?何を?」

「お前今日からうちに来い」

「………………………………………………はいっ!?」

「毎回毎回栄養失調でうちで倒れられるのも迷惑だからな。うちに来て飯食べて帰れ。その時にうちの親にでも料理習えば一石二鳥だ」

「で、でも迷惑じゃない!?」

「うちは大家族だからな。今更一人や二人増えたって変わらない」

「でも」

「デモもストも無い。これは決定事項。お前に拒否権は無い。解ったな?」

真っ直ぐに向けられた目線は

避けられるものじゃなくて



病気は必ず治るのに
あと一粒が素直になれない

病気は必ず治るのに
あと一粒が体力勝負

そんな私に


貴方の言葉。


効果は覿面



('A`)<ヒロシです

('A`)<ギタフリではまず最初に浮舟やるとです

ヽ(*`∀´)/
はい。甘くない。保健室で大人のくすりですた。
てかサプリメントは薬に…入るかどうか微妙ですが(汗
はい。俺はギャグしか書けないようです。
甘々部員彼方どのへパ〜ス。

因みに脛に鉄球大暴走喰らうと、痛いどころじゃなくて足の骨砕けてると思います。怖いネ☆



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