今日も今までと変わらずに部活
夏の部活ほどキツイものはない




軽音部長と剣道主将






「面!」

珍しく来た顧問に見せかけの手合わせ
剣道の防具一式を着込んでいると流石に暑い

「よし、そのまま続けなさい。俺は抜けるがだらけるな。部長、しっかりまとめとけ。明日は出張で居ないからその分もな」

「はい」

とりあえず返事をする。
…とは言うが、顧問が居ない方がうちの部は真面目に練習をするのであんまり意味が無い
やがて顧問が校舎に入って行くのを見て、全員が一斉に溜息をついた

「なーにが俺は抜けるがだらけるなよ!!あーくそ黙れ小僧!!お前にサンが救えるかっ!!

「確実に救えないから安心しろ。じゃぁ休憩。今のうちに水分補給しとけ。此処は風通しが悪いからな。ちゃんと補給しないと倒れるぞ」

「さっすが部長!解ってる〜♪」

「かっこいい〜♪」

「………将角、お前だけ休憩無し」

「なっ!?何でだよ!?」

「嫌がらせの仕返しだ」

「てめっ…職権乱用するなよ!!」

「ははは、相変わらずだね。なんちゃって剣道部御願いツインズ」

兄弟喧嘩に割って入った声に振り向くと、其処にはいつもの観客が約一名
いつも自分の部活をほっといて来るコイツに、うちの剣道部員達の顔が綻んだ

「いよう、なんちゃって軽音部の幽霊部員。いい加減部活に出たらどうだ?」

「お生憎様、うちのベース足りてて出ても意味無いの。それに私文化祭にも出ないしね」

「なら此処入れば良いのに。歓迎するぞ?」

「将角…っ」

「残念。私異種格闘技戦は専門外だもん」

「何でだよ?去年は赤い服着てベース振り回してさ〜」

「文化祭だから出来たの。それにアレはベースじゃなくギターです。第一あれは演奏中のパフォーマンスで実際には戦ってないし」

「そうだけどいい線いってたと思うぜ?是非わがストリートファイト部に」

「なんちゃって剣道部の実名はストリートファイト部だったのか…と、流石に休憩終わりかな。私もう行くわ。部活真面目にやれよ〜」

「引く?引くだと!?d」

「ヘルシングネタ怖いからやめて。じゃ、またね。」

「あぁ。またな」

あいつが居なくなってから暫くしてベースの音が聞こえてきた。
どうやらちゃんと部室に戻ったらしい

「…勧誘失敗か…」

「当たり前だ。普通はこんな部入らないだろ…第一入ったとしてもすぐに引退だ」

「や、そりゃそうなんだが…」

「何だ?」

「こんだけ毎日来るんだから入ったほうが何かと楽かと思ったんだよ」

「…そういえばあいつよく来るよな…何でか知らないが」

「………鈍い奴」

「は?」

「何でもない。さてと、水飲みに行くかな」

格技場を出て行く将角を見ながら今の言葉を自分なりに考えていた
…まぁ、答えが見つかる前に、その当事者から答えを聞いてしまったのだが

それはまた、別の話



きこえてきたベースはガッツ伝説って事でひとつ(笑
因みにこの話のヒロイン(備前神楽)は軽音部部長だそうで。
ブラウザバックぷりぃず。


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