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人通りの全く無い薄暗い通り。
等間隔で、仄かガス灯の明かりが灯っている。
そんな薄暗い通りを、黒いタキシードに身を包んだ神楽が一人歩いていた。
−カツッ、カツッ、カツッ…−
暗い道に彼女の足音だけが響く。
暫くして、彼女は街灯の…光の真ん中で急に足を止めた。
そして彼女は、何か楽しい事を見つけた様に短く「フッ…」と笑った。
一呼吸おいて彼女は振り返り、誰も居ないはずの通りに溜息をつく様に声をかけた。
「こんな所で、何をしているの?」
その声に反応して誰も居ないはずの通りに、幾つもの影が生まれた。
仄かな光に見え隠れする暗闇に紛れるような、黒づくめの者達。
今回は、本気と言う事か…。
余りにも予想通りの事過ぎて神楽は、大きく溜息をついた。
「例の件から手を引け。さもなくば…。」
黒づくめの一人が、低い声で唸る様に言う。
が、神楽はまるでこの状況を楽しむかのように薄笑いを浮かべた。
「さもなくば、どうするって言うの?跡形も無く、消す?」
そんな神楽に、黒づくめは声を荒げる。
「我々は、本気だ!!3つ数える間、待ってやる。答えろ。」
「3つも数えなくても、答えてあげるよ。答えは、NO。精々、足掻くと良いさ。」
そう言って神楽はクルリと前を向き、
何事もなかった様に、颯爽と歩き出した。
交渉は、当然決裂。
「ならばっ、死あるのみだぁっ!」
黒づくめの者達は、一斉に神楽に襲い掛かった。
「悪い子達には、お仕置きしないとね。そう思うでしょ、梟さん。」
そう言った神楽とすれ違う様に、いつの間にか鼓が立っていた。
「同感だ。」
そう、鼓は答えてスラリと日本刀を抜いた。
神楽も歩みを止めて振り返り、持っていたステッキの先端部分を黒ずくめの一人に向けた。
「また、大量だな、今日は…。」
鼓が、溜息をつくように呟いた。
その言葉に神楽が、苦笑する。
「数が多ければ良いって問題じゃないんだけどねぇ。
「ま、いっちょ、始めますか。」
その言葉と共に神楽は、ステッキについている引き金を引いた。
突然だけどこんな、ハードボイルドな話は如何でしょう?
というか、遅くなってごめん!!!
とにかく神楽さんのタキシード姿が書きたかったのですよ!!
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